国税局の統計では、起業して10年事業を継続できるのは約1割。
20年継続できるのはなんと0.3パーセントだそうです。
この数字だけ見ても、事業を継続するのは本当に大変だと思う。
(実際やっていても大変だといつも実感しているが。)
当社は来年で20年になる。
0.3パーセントになれるよう頑張ろうと思います。
確かに当社の身近でも、8年で個人・法人合わせて15件くらいクリーニング屋を辞めています。
恐ろしいスピードで閉業しています。
閉業した方々は私が知る限り、全員1流の人たちである。
本当に色々教わったし、腕も私よりはるかに上だった。
そのような人たちが閉業したのに、当社の事業がまだ存続している。
なぜか。
理由は2点あると思う。
1当社が純粋なクリーニング屋(ホームクリーニング)ではなかったこと。
2私自身が1流ではなかったこと。
私自身にクリーニング屋はこういうものであるという思い込みのようなものがなかったことが良かったのだと思う。
クリーニング屋が細分化された業種だということを知らなかったのだ。
なので洋服だけではなく、シーツなどを洗うリネンサプライ、布団丸洗い、貸布団、モップやマットなどを洗うダストコントロールなど、洗えるものは何でも洗えるように努力した。
今では洗えないものがないくらいである。
もちろん、しみ抜きや染色補正、アイロンがけの技術向上のための努力も続けている。
だがこの技術向上は本当に時間が掛かる。
1流になるには何十年もかかる。
技術向上だけに労力をすべて傾けたら他に使う時間がなくなってしまう。
技術向上の勉強だけをしているだけでも、そのことだけにのめり込み、お客様に使う時間が無くなってしまうのだ。
それで、技術が1流の人は売り上げや利益が減り事業の継続が困難になってしまう。
分かっていても、個人のクリーニング屋さんは、職人気質の人が多い。
唯々技術を磨いてしまう。
技術を磨けば売り上げが上がると思い込んでいるところがある。
個人や零細企業は経営者と職人を両方やらなければならない。
事業の存続に気を配り、技術の研鑽も怠らないという努力が必要なのだろうと思う。
<今日のしみ抜き>
貸し布団のシーツに付いたシミ。
組成:綿
シミの種類:不明。
経過時間:不明
洗濯:済
加熱:有り